英語の論文を初めて書くときに知っておいた方が良いと思われる基本的なことをガイドとしてまとめようと思います.内容はこれまで私が見たり聞いたりしたものや,講義で習ったことなどに基づいています.ご意見ご感想などがありましたら,教えてください.なお,論文執筆方法の英語に特化しない注意点などは,論文の書き方を参考にしてください.
日本語と英語との違いなどをまとめる予定です.私が日ごろ他人の論文を添削していて思ったことや,自分の論文でよく間違えてしまうことを忘れないためのメモです.もし,付け足すべきポイント,下の文章自体が良くない書き方になっているなど,お気づきの点がありましたら教えてください.
ポイント | 間違いの例 | 説明 |
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縮約形「I've, doesn't, can't」などの使用 | 例なし | 論文やフォーマルな文章では,縮約形は使いません.例の場合,「I have, does not, cannot」を使うようにします. |
記号「(),.;:」の前後のスペース | 「Metasyntactic variables(HOGE)are...」 | ピリオドやコンマ,セミコロン,コロンの後には必ずスペースを入れます.また,「(」の前と「)」の後にはスペースを入れ,「(」の後と「)」の前にはスペースを入れません.もちろん,すべての記号は半角(英語用)を使います.(ちなみに,全角記号の場合はスペースを入れません.) |
数式の後のコンマとピリオド | 例なし | 英語の論文の場合は,数式も本文の一部として扱われるため,複数の数式が並ぶ場合は,各数式の終わりにコンマを入れます.また,数式の後で別の文が始まるときは,その数式の後にピリオドを入れます. |
参考文献リストのコンマとピリオド | 例なし | 参考文献のスタイルは様々ですが,忘れがちなものとして,参考文献リストの各項目の末尾につけるピリオドがあります.本ウェブサイトの発表ページが例になると思います(ここでは日本語版でもピリオドをつけています).また,文献タイトルを引用符で括る場合,コンマは引用符の外につけるようです. |
略語「p. pp. Fig.」などの後のスペース | 「Fig.1」 | 各略語は本来それぞれ省略される前の単語が存在し,その代わりとなるものですから,略語の後には単語を区切るスペースが必ず入ります. |
接続詞のような意味を持つ副詞「however, thus, therefore」など | 「I like coffee, however, I don't like coffee flavor.」 | 「however」は「しかしながら」の意味を持つので,接続詞として使ってしまいがちですが,本来は副詞のため,それは間違いです.正しくは「...coffee, but, however, I don't...」のように接続詞を入れるか,「coffee; however, I don't」のようにセミコロンを入れます. |
文頭の接続詞 | 「But I like coffee.」 | 「but」や「and」などの接続詞を文頭で使ってはいけません.「In addition」や「However」などを代わりに使います. |